不整形地の評価

不整形地の評価

不整形地とは、形状が長方形や正方形といった整形地とは異なり、形が複雑で使い勝手や価値に影響を与える土地をいいます。不整形地の評価は、通常の整形地の評価に加え、不整形であることによる価値の減少を補正して評価します。（財産評価基本通達第14－3条）

不整形地の価額は、まず奥行価格補正や三方・四方路線影響加算などの補正を行った後の価額に、さらに「不整形地補正率」を乗じて評価します。

不整形地の形状に応じて、次のいずれかの方法により整形地を基準にして評価額を算出します。

1．区分整形地による方法
不整形地を複数の整形地に区分し、それぞれを評価して合計する方法です。複雑な形状の土地を複数の簡単な形に分けて計算します。

2．計算上の奥行距離による方法
不整形地の地積を「間口距離」で除して計算した奥行距離（計算上の値）を使い、近似した整形地の評価額を求める方法です。

3．近似整形地を求める方法
不整形地に最も近い整形地（長方形など）の形状を想定し、その整形地を基準に評価を行う方法です。

4．隣接整形地と合わせて評価する方法
近似整形地を求めたうえで、隣接する整形地と合わせて全体の整形地評価額を計算し、隣接整形地の価額を差し引くことで不整形地の価額を求める方法です。

不整形地補正率は、その土地の形状の複雑さ（不整形の程度）、位置、地積の大小などを考慮して決定されます。この補正率を乗じることで、使い勝手の悪さや形状の不利さを反映し、評価額を適正化します。

不整形地の評価は、奥行価格補正や路線影響加算後の価額に、不整形地補正率を乗じて行います。評価方法は4つの方法から、土地の形状や条件に応じて最適なものを選択します。不整形地補正率の適用により、土地の形状による価値の減少を適切に反映します。