通算課税期間

通算課税期間

消費税における仕入税額控除の適用判定や精算手続においては、「通算課税期間」という概念が用いられることがあります。

ある課税期間において課税仕入れ等を行った場合、その課税期間から最長で第３課税期間までの各課税期間を「通算課税期間」といいます。すなわち、課税仕入れ等を行った課税期間から３年間は一連の期間として取り扱い、その期間全体を通じた課税売上割合の変動を考慮して、仕入税額控除の適否を判断する仕組みになっています。通算課税期間における課税資産の譲渡等に係る対価の額の合計額を分子に、課税・非課税を含めた資産の譲渡等に係る対価の額の合計額（通算課税期間中）を分母として算出する割合を「通算課税売上割合」といいます。

通算課税売上割合 ＝ 課税資産の譲渡等の対価（通算課税期間中） ÷ 全資産の譲渡等の対価（通算課税期間中）

この割合は、課税仕入れに対応する税額が控除できるかどうか（全額控除・一部控除・控除不可）の判定基準として用いられます。

通算制度は、単年度では判断が難しい業態（例：初期投資が大きく売上が後年に偏る事業）における公平性を確保するための仕組みです。消費税の仕入税額控除を適正に行うためには、この通算課税期間及び通算課税売上割合の考え方を正しく理解しておくことが重要となります。