実質所得者課税の原則

実質所得者課税の原則

【実態課税の原則】名義人ではなく実質的に利益を得た人に課税されます

所得税法では、「実際に収益を得た者が所得の帰属者である」という実態課税の考え方が採用されています（所得税法第12条）。

■ 所得税法第12条の趣旨

資産や事業から生じる収益が、法律上はある人に帰属しているように見えても、

• その人が単なる名義人であり、

• 実際に収益を得ているのが他の者である場合は、
  実際に収益を得ている者に課税されることになります。

【具体例①】土地の登記名義を変更せず貸付けを行った場合

登記上は被譲渡人であっても、実際に土地の貸付けによって賃料収入を得ている者がいれば、
その者に不動産所得が発生します。

【具体例②】中間登記を省略して土地を転売した場合

土地の売買において、登記名義を一度も移さずに中間者が転売し利益を得た場合、
その中間者に譲渡所得が発生します。

名義の有無に関わらず、実際の利益の帰属先に課税されるため、
不動産の取引や権利移転の際には、税務上の取り扱いにも注意が必要です。