インボイス／適格簡易請求書

インボイス／適格簡易請求書

簡易適格請求書は、一定の条件のもと、通常の適格請求書に比べて記載事項が簡略化された請求書です。これにより、取引の事務負担を軽減しつつ、適格請求書としての要件を満たすことができます。簡易適格請求書を作成する際に、特に記載が不要となっている項目があります。これは、取引の透明性を確保しつつ、発行者や受領者の負担を減らすための配慮です。

1．取引先の氏名又は名称

簡易適格請求書の場合、取引相手である取引先の氏名や名称を請求書に記載する必要はありません。これは、発行者側で発行者情報と取引内容が特定できれば十分とされるためです。

2．税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した適用税率
通常の適格請求書では、消費税額を正確に計算するために、税抜または税込の価額を税率ごとに区分して合計することが求められます。しかし簡易適格請求書においては、この詳細な区分の記載は不要とされています。つまり、税率ごとの区分合計額の記載を省略できるため、請求書の作成がより簡素になります。

簡易適格請求書は、一定の取引において発行者の事務負担を軽減するために設けられた制度です。特に、「取引先の氏名又は名称」や「税率ごとの区分合計額」の記載が不要となることで、請求書の記載内容が簡略化されています。これにより、中小企業や個人事業者にとって請求書発行の負担が軽減され、適格請求書発行事業者としての義務を果たしやすくなっています。